2023/07/11

パーティションサーバの設定(ポートマッピング)

パーティションサーバは、1台のコンピュータ内に複数のドミノサーバを並列稼働させる機能です。各サーバのネットワークの設定方法はいくつか存在します。

  • 各サーバに個別の IP アドレスを割り当てる
  • 1つの IP アドレスを共有する(ポートマッピング)

今回は、ドミノサーバの設定だけで対応できる後者の方法についてまとめます。

この方法では、クライアントから各ドミノサーバへのアクセスは同じ IP アドレスを経由して接続することになります。このリクエストを対象となるサーバに正しく届けるため、特別な設定が必要となります。この設定をポートマッピングと言います。


ポートマッピングの概要

ポートマッピングを設定手順は次の通りです。

  1. ポートマッピングを実行するドミノサーバを決定
  2. それ以外のサーバに対して、別々のポート番号を割り当てて設定
  3. 割り当てたポート番号をポートマッピングを実行するサーバに登録

ポートマッピングを実行するサーバは、クライアントからのリクエストに最初に応答します。自身のサーバに対するリクエストであれば、そのまま接続します。マッピング先に対するリクエストであれば、設定で指定したポートを使用してリダイレクトさせる動作を行います。


評価環境

今回は、以前 パーティションサーバの設定 でインストールした2台のサーバに対して、ポートマッピングを設定し、パーティションサーバとして稼働させる前提で記載します。

なお、インストールしたサーバは、1台目を新規のサーバとしてセットアップし、その環境に2台目のサーバを追加しています。2台目は 追加のサーバのセットアップ を参考に構築しています。各サーバは次の通りです。

サーバ 備考
Server1/Domino 1台目
ポートマッピングを実行するサーバ    
Server2/Domino 2台目


ポートマッピングの設定

ポートマッピングを有効にするためには、それぞれのサーバに設定が必要です。


◇ Server1 の設定

ポートマッピングを実行するサーバには、notes.ini に次の通り設定します。

TCPIP_TcpIpAddress=0,192.168.1.101:1352
TCPIP_PortMapping00=CN=Server2/O=Domino,192.168.1.101:13520

TCPIP_TcpIpAddress 行は、このサーバの Notes ポートの設定で、IP アドレスとポート番号を設定します。このサーバは、リダイレクトするのか判定するサーバとなるので、最初に応答します。そのため、ポート番号はノーツのデフォルトポート番号である 1352 を指定します。

2行目の TCPIP_PortMapping?? 行がポートマッピングの設定です。この行にパーティションサーバのサーバ名と使用するポートを登録します。今回の事例は2台の構成なので1行しかありません。

例えば3台の場合は "??" が "00" と "01" の2行となります。

TCPIP_PortMapping01=CN=Server3/O=Domino,192.168.1.101:13521

Administrator ヘルプによると、この番号は "00" から "04" までで、連続した数字である必要があるとのことです。また、ポート番号は、13520、13521、13522、13523、13524 を使用することを推奨しています。

この記述からすると、パーティションサーバは6台構成まで対応しているようです。


◇ Server2 の設定

リダイレクトされるサーバは次の通りです。こちらは、自身のサーバに割り当てられたポート番号を指定するだけです。

TCPIP_TcpIpAddress=0,192.168.1.101:13520


以上で、ポートマッピングの設定は完了です。

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