パーティションサーバは、1台のコンピュータ内に複数のドミノサーバを並列稼働させる機能です。各サーバのネットワークの設定方法はいくつか存在します。
- 各サーバに個別の IP アドレスを割り当てる
- 1つの IP アドレスを共有する(ポートマッピング)
今回は、ドミノサーバの設定だけで対応できる後者の方法についてまとめます。
この方法では、クライアントから各ドミノサーバへのアクセスは同じ IP アドレスを経由して接続することになります。このリクエストを対象となるサーバに正しく届けるため、特別な設定が必要となります。この設定をポートマッピングと言います。
ポートマッピングの概要
ポートマッピングを設定手順は次の通りです。
- ポートマッピングを実行するドミノサーバを決定
- それ以外のサーバに対して、別々のポート番号を割り当てて設定
- 割り当てたポート番号をポートマッピングを実行するサーバに登録
ポートマッピングを実行するサーバは、クライアントからのリクエストに最初に応答します。自身のサーバに対するリクエストであれば、そのまま接続します。マッピング先に対するリクエストであれば、設定で指定したポートを使用してリダイレクトさせる動作を行います。
評価環境
今回は、以前 パーティションサーバの設定 でインストールした2台のサーバに対して、ポートマッピングを設定し、パーティションサーバとして稼働させる前提で記載します。
なお、インストールしたサーバは、1台目を新規のサーバとしてセットアップし、その環境に2台目のサーバを追加しています。2台目は 追加のサーバのセットアップ を参考に構築しています。各サーバは次の通りです。
サーバ | 備考 |
Server1/Domino | 1台目 ポートマッピングを実行するサーバ |
Server2/Domino | 2台目 |
ポートマッピングの設定
ポートマッピングを有効にするためには、それぞれのサーバに設定が必要です。
◇ Server1 の設定
ポートマッピングを実行するサーバには、notes.ini に次の通り設定します。
TCPIP_TcpIpAddress=0,192.168.1.101:1352 TCPIP_PortMapping00=CN=Server2/O=Domino,192.168.1.101:13520 |
TCPIP_TcpIpAddress 行は、このサーバの Notes ポートの設定で、IP アドレスとポート番号を設定します。このサーバは、リダイレクトするのか判定するサーバとなるので、最初に応答します。そのため、ポート番号はノーツのデフォルトポート番号である 1352 を指定します。
2行目の TCPIP_PortMapping?? 行がポートマッピングの設定です。この行にパーティションサーバのサーバ名と使用するポートを登録します。今回の事例は2台の構成なので1行しかありません。
例えば3台の場合は "??" が "00" と "01" の2行となります。
TCPIP_PortMapping01=CN=Server3/O=Domino,192.168.1.101:13521 |
Administrator ヘルプによると、この番号は "00" から "04" までで、連続した数字である必要があるとのことです。また、ポート番号は、13520、13521、13522、13523、13524 を使用することを推奨しています。
この記述からすると、パーティションサーバは6台構成まで対応しているようです。
◇ Server2 の設定
リダイレクトされるサーバは次の通りです。こちらは、自身のサーバに割り当てられたポート番号を指定するだけです。
TCPIP_TcpIpAddress=0,192.168.1.101:13520 |
以上で、ポートマッピングの設定は完了です。
0 件のコメント:
コメントを投稿