2025/03/07

Domino インストールエラーの対処

年の瀬に Domino サーバのメールルーティングトラブル が発生しました。すべての Domino サーバで発生するトラブルで、影響は甚大です。Notes/Domino のトラブルでこれほど大きいのは珍しいですね。

発災からほぼ 3 ヶ月経ちましたので、対応も進み状況は落ち着いたのではないでしょうか?

私が管理するサーバも影響を受けたのですが、メーカーによる迅速なパッチ提供があり、それを適用することで回避できました。対応としては、最新の FixPack の適用とこのトラブルの Interim Fix を適用を行いました。

ただ、その作業でインストールトラブルに見舞われました。他の HotFix 適用など将来も起こりうる現象なので、後学のためにまとめておきます。


なお、本件の解決は、HCL Software の Customer Support に協力をいただきました。超ド級トラブルの最中だったので、サポート担当に皆さんは、私ら以上にパニック状態だったと思います。それでも、迅速かついつも通りの丁寧な対応をくださいました。解決できてありがたいのはもちろんですが、それ以上に感心いたしました。IT 担当者として見習わなくては...。


トラブル①:インストール中のエラー

まずは、FixPack インストール途中で発生したエラーです。

インストールを開始してしばらくたってから「RenameTempFiles: ERROR: Can't rename・・・」のエラーが発生し、インストールに失敗するというものです。

このエラーについては、以下の技術情報がありました。この記事によると Windows Management Instrumentation サービスが実行していることが原因だそうです。

Domino サーバーの Fix Pack が "RenameTempFiles: ERROR: Can't rename old <file name>: access problem" のエラーでインストールできない


トラブル②:インストーラが起動しない

インストールのトラブルはもう一つあり、FixPack のインストーラを実行したら  "Notes/Domino or a Notes/Domino related process is still running." とメッセージが表示され、インストーラが起動しないというものでした。

この問題もすでに技術情報がありました。

Fix Pack または Hotfix が "Notes/Domino or a Notes/Domino related process is still running." エラーでインストール/アンインストールできない

エラー発生の原因として、以下の 6 点が挙げられていますが、3 に起因して発生しています。またしても Windows Management Instrumentation サービスが原因だったのです。

  1. Domino サーバー関連のプロセス(nsd.exe も含めて主に "n" で始まるプロセス、scontroller.exe、jconsole.exe)およびサービスが終了していない。
  2. バックアップソフト、もしくはウィルススキャンソフトが Domino サーバーのファイルにアクセスしている。
  3. Windows Management Instrumentation サービス (WmiPrvSE.exe) が稼動している。
  4. Fix Pack もしくは Hotfix のインストーラーを管理者権限で実行していない。
  5. Fix Pack もしくは Hotfix のインストーラーが OS のプロパティにて「読み取り専用」にチェックされている。
  6. Windows 側(OS 側)で、インストール先のフォルダに書き込み禁止権限が設定されている。


インストール手順

先の技術情報では『Windows Management Instrumentation サービスを停止する』とだけしか書かれていませんが、停止するだけではエラーが継続する現象がありました。これについては OS を再起動することで回避できました。

この経験を踏まえ、FixPack や Interim Fix の適用手順を改めて整理します。


1.Dominoサーバーサービスを無効に設定

サービスの一覧で Notes/Domino に関するすべてのサービスを無効化して、自動的に起動しないように設定します。

2.システムを OS から再起動 

Windows OS を再起動します。1 の設定により Notes/Domino 関連のサービスは起動しない。

3.画面上で起動している、すべてのアプリケーションを停止

4.Windows Management Instrumentation サービス の停止

サービスの一覧からサービスを停止します。その際、関連するサービスの停止を確認するメッセージが表示されますので、停止させます。停止するサービスは、1 つの場合と 2 つの場合がありました。

5.一時ファイルをすべて削除

コマンドプロンプトから set コマンドを実行し、TMP および TEMP 環境変数の示すディレクトリを確認、その一時ディレクトリを空にします。

6. その後 FP や IF をインストール

インストーラは、管理者権限で実行します。


まとめ

今回は、FixPack のインストール時に発生した Windows Management Instrumentation サービスによるエラーについて記述しました。

今回のトラブルは緊急対応だったため、準備もなく対応に当たりました。FixPack のインストールだけだったので、作業としては安易に考えており、業務時間中にサーバを停止してのぶっつけ本番作業としました。インストール途中でエラーが発生した時には、原因調査と並行して、ユーザを待たせないよう Domino サーバを起動することとなり、「中途半端な状態で、正常に起動するのか?」と 肝を冷やしました...。

このようなことにならないよう日頃から、手順を明確にしておくべきと再認識した次第です。サーバ管理者として、まだまだ半人前ってことですね...。

ちなみに、インストールエラーでキャンセルした後に起動した Domino サーバは、作業前の FixPack で無事稼働しました。インストーラってよくできているんですね。


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